けっこう毛だらけ猫愛だらけ

いつもニャーニャー鳴いています。

社会という大きな海に小さな小舟で出て行く若者について思うこと

なんかもう、すごいバズってますよね、大学中退した男の子。私なんかもうオバチャンやから「うわ、私の半分の年齢やん、大人びた人やなーわっかいなー!」なんて思ってましたよ。

んで、関内さんの書いたのがまたすごいことになってた。

goldhead.hatenablog.com

すごい。いま9/18ですけど、1128もブクマついてる。この人本当にすごいめちゃくちゃ文章うまいですよね。絶対地頭いいよ、そう思っている。

 

私は、問題なのは大学を中退したことではなく、彼が双極性障害を患ってしまい、家族が離散したことによって家族というセーフティネットを失ったことにあると思っている。

逆に、大学を卒業しても精神を患ってしまったり大きな障害を身に負ってしまうと、どんなエリートでも社会不適合になる。このところの社会はどんどん先鋭化してきて、形にそぐわない人がどんどん脱落して行っている。

 

私はこれまでのエントリで、氷河期世代の持つしんどさをちょこちょこと書いてきたのですが、関内さんもそう。彼は、私と同じく就職氷河期世代で、歯を食いしばって大学へ通ってもはたして就活がスムーズに行ったのかというと、正直なところかなり厳しいのではないか。そのくらい就職氷河期の就活は厳しいものがあった。

 

くだんの男子にも思うのですが、みんなが不安を感じるのは、彼にセーフティネットが見当たらないことなのだと思う。

「実は公務員試験受かってます」とか「中学生のときに測量技師の免許を取りました」とか「簿記一級と宅建持ってます」とか「あと一科目で税理士試験突破できます」とかなら、おそらく誰も何も言わないよ。それだけのスキルがあるなら、起業がコケてもどこかで生きて行ける。実務経験がないのでタイムリミットは26歳くらいだとは思うけれど。

 

 彼にセーフティネットはあるのか?もしかしたら何もないんじゃないのか?

そう思うとやっぱりちょっと君、大丈夫なのかとなる。

 

 

起業した人のお話はこっちのほうがリアリティある。

anond.hatelabo.jp

 

フリーランスになると、いわゆる普通の会社にあるような福利厚生というものは一切ありませんから、ちょっとでも病気をして休めばそれがそのまま収入に大打撃になる。体が資本とかはよく言いますけど、それはもう大前提で、心が病むともう本当に詰む。自分を過信したらいけない。人間の心なんてあっけなく壊れる。だいたい、鬱なんて、絶対になりたくてなってるわけがない。つるつるした螺旋階段に上から突き落とされたみたいなもんなんだから。

 

彼みたいな人は、大きい海に、小さな自分の船で漕ぎ出していきたいんだと思う。

 

普通の会社員じゃ有名になれないとか、もっと注目されたい!とかもっと人に認められたいとか、いろいろ思惑はあるでしょうけれど。

なんか生活とかをつづってたけど、読んでみて「うわーッ、意識高い系の人やー!逃げろー」って思ったんですけど笑

 

 

で、

おっちゃんおばちゃんとしては、

叩くより、いかにセーフティネットを構築するかを彼に伝えたほうが、よほどいいと思う。

 

10代くらいの大学生だと親御さんもまだ現役だったりして、セーフティネットなんてあまり実感ないかもしれない。親っていうのは、いて当たり前だとどこかで思ってしまうくらい大きな存在だったりもするけど、関内さんのように一家離散する場合だってある。

 

日本の社会構造というのは、もともと社会保障を企業にべったりと頼ってきた部分がある。だから社会的なセーフティネットが脆弱にしか作られていない。

企業側がそれまで担ってきた社会保障を投げ出したので、生活保護に行き着く人がものすごく増えている。

弱ったり病気したり事故にあったりしたフリーランスの人は企業という後ろ盾を持たないのですぐに生活保護しかなくなる。

生活保護というのはもう本当に最後の砦です。そもそも申請が通らなかったりするし、そこまで行く人はめちゃくちゃ弱っていて、今度はもう抜け出すにも抜け出せないみたいな状況まで行ってしまったりする。

大学生の段階で、まさか自分が社会的弱者になるなんて想像もつかんと思いますけどね。。でも、フリーランスを選ぶということはそういうことですから。

いつも崖っぷちだから。だから自分のセーフティネットをこつこつ構築していくしかない。

 

僭越ながら自分のコメントなんですが…

「1日何してんの?」とよく言われるので、大学を中退した起業家の生活を大公開 - いしだの話

商工会議所の青年支部、助成金コンサルあたりとも親しくしたほうが情報が入ってきていいと思う。これまでになかったアイデアやサービスに対する助成金とかもある。マネタイズ大事。

2016/09/17 23:06

b.hatena.ne.jp

 

詳しく書きますが、国は毎年ものすごい額の補助金を企業に出しています。

年によって推移はあるけど、年間10兆以上は出してる。それは国としても企業に育って欲しいし経済を活性化するためにこれだけの補助金を出している。

不動産業者のように業界団体があって、そういうところが下駄をはかせてくれる場合もあるし、自治体で補助金を出しているケースや、コンペなどで補助金を獲得することも方法としてはアリだし、そういうコンペはぐるっと世界を見渡すと意外とたくさんある。

 

 補助金や銀行からの融資も、めぐりめぐればだれかのお金。とりわけ税金がもとになっているものはいかに社会に還元できるかを必死に考えないとだめです。個人に出すんじゃなくてビジネスに出してるんだから。

こういうのも一長一短があって、出資者からのチェックが入ったりとか、いろいろめんどくさいこともあるんで、たんなる1つの手段くらいで覚えておけば良いかなあくらいです。

 

ふと思い出したんですが、知人でスタートアップ起業サポートをやっている人がいる。実にニッチなところをついているけど、ここからSchooとかが生まれて育って行ったんですよ。

www.lessmore-yoshidaryo.com

 

なので、こういうところの力を借りるのも1つの手かもしれません。

 

起業に関しては私なんかよりも詳しい人がたくさんいるし勉強されていると思うので、伝えることもないんですけど、とにかくセーフティネットを構築できるように頑張って欲しいと思う。

セーフティネットは、あればあるだけ生きやすくなります。セーフティネット=生きる力と言ってもいい。

あまり見たくもない数字かと思いますが、経営者、個人事業主の人というのは自殺率が一般の人よりも6倍も高いのです。これは、自分のビジネスを走らせ続けるということは、精神的緊張が非常に高いということを示している。ストレスもかかってくるし、それだけ過酷だということです。

セーフティネットをいくつも持つことができれば、このストレスをかなり緩和できると思う。

 

 

 

おわり