このブログのタイトルにもなっているくらいですが、私は猫がとても好きです。
本当に猫が好きなのです。
今日は、わずかだけ触れ合った、小さな毛むくじゃらの生き物について書いてみたいと思います。
キキです。
私は5月に、長年住んだ京都を離れて、今いる土地へ引っ越してきました。
家から少し離れた場所に公園があるのですが、小学生が「キキ」と呼んでかわいがっているのがこの小さな長毛種のメス猫でした。
キキはいつも公園にある東屋で寝ていました。
キキは賢い猫で、「キキ!」と呼ぶときちんと返事を返してくれました。
ほとんど毎日同じ場所にいるので、キキに会いたいがために遠回りをしてこの公園へ立ち寄るのが私の日課になりました。
誰も知り合いのいないこの土地へ来て、もともと環境の変化に弱い私が、気持ちがおかしくなりそうなところをどれだけ救われたかわかりません。
キキはものすごく人懐っこい性格をしていて、気がむいたときは甘えてきてくれました。
7月。私の横に寝そべって寝るキキ。
これは夫がキキを撫でているところなのですが、この表情をみせてくれることで、私はどれだけ癒されたか。
キキは長毛種なので、なでてやるといつもこちらが毛だらけになりました。
私がキキに最後に会ったのは、7月の25日でした。
そのときに、キキがもうおばあちゃんで、でも、ものすごく人に懐いてくるものですから、心ない人に乱暴されたりしないかと、一抹の不安を覚えたのを思い出します。
私はキキのはっきりした年齢を知りませんでした。
でも、とてもおばあちゃんで、体が弱ってるのも感じていました。
その次の日から、いつもの公園へ行ってもいるはずのキキがいない。
私の不安は募るばかりでした。
キキは大丈夫なのか。元気でいるのだろうか。
ずっとキキの心配をしていました。
どこかで直感めいたものがあったのかもしれません。
■
8月に入ってすぐ、私はキキが亡くなったことを知ります。
7月の30日だったそうです。
キキはじつは外飼いをされている猫だったのですが、キキがぐったりしているのを見た飼い主がキキの体を洗ってみたところ、腹に大きな傷があり、その傷がもう腐ってしまっていて、どうにもできなかったらしい。
この傷がなんなのか、私にはわかりません。
いろいろな人に話を聞いてわかったのは、キキがもう17歳という高齢で、かつ毎年のようにケンカで傷を負っていたこと。今年のように傷が深く、そして治らなかったのもおそらくは高齢のためだということ。
キキは地域の人にものすごくかわいがられていたこと。
子どものころから賢くて、飼い主さんのあとをいつもついて歩いていたこと。
そんなことも聞きました。
私はキキがいてくれて、どれだけ救われたか。
キキがずんぐりとした体でゆっくりと公園を横切るさまを今も思い出します。
長毛で、それで少しだけカールした不思議な毛並みのキキ。
キキが家の中にいてくれたら、私すごく嬉しかったのにな。
またいつか、虹の橋の向こう側で会えたら良いな。
おわり