けっこう毛だらけ猫愛だらけ

いつもニャーニャー鳴いています。

雑記あれこれ

今日はあまり具合がよくないので、あとで消すかもしれませんし、雑な記述があるかもしれません。すみません。

 

jp.wsj.com

この手の記事を見ると、あーあーあー、みたいな気持ちになる。

ごく稀にこういう特化したタイプの自閉スペクトラムの人がいて、すごい力を発揮するのは事実だ。かつて私の知人にいたアップルのエンジニアの人も思い切りIT特化型の自閉スペクトラムだったが、じゃあ自閉スペクトラムのうち何割がこう?と言われると、自分の感覚だと1割もいないんじゃないかなと思う。

 

私は発達障害の当事者だからそういうコミュニティに属していて、それとは関係なくたまたま子供が発達障害だったとか、そういう人も知っている。

 発達障害の当事者とかその親にとっては、特性を理解された上で特性を強みにして社会的な地位を得て働くことができるというのは、もう夢のような話だ。

ごくわずかにそういう人たちがいて、そのような人物に憧れを抱く親も多い。

 

私自身は結構ペシミスティックな方だから、親御さんが「うちの子は発達障害だから天才になるの!」と言っていたり、「私の子はギフテッド」と言っていたり、

はたまたちょっとスピリチュアルに行ってしまったお母さんが「うちの子はクリスタルチルドレンだから特別なの」と言っていたりすると、何かもう、どうしようもなく「は、はぁぁ…」という気持ちになってしまう。

 特に、「発達障害に生まれたから育て方次第で天才になります」とか、「うちの子はアインシュタインと同じ!」とか言っているお母さんを見ると、そう思わなくてはならないくらいこの人しんどいのかな…と思ってしまったりする。

 

 

 少し前、発達障害のコミュニティを通じてとある人と知り合った。個人的なことがバレると申し訳ないから少しフェイクを入れるが、東大を卒業したあと海外へ渡り、米国とフランスの大学院を出て海外の修士号を二つ持っているという人だった。前職は大学教授。

やり取りをしていても頭の賢いことがビシバシと伝わってくる。

修論書くくらいだからそりゃそうなんだけども、英仏堪能、文献を読むだけなら6ヶ国語できるらしい。本人はさらりというが陰に猛烈な努力があるのは明らかだろう。

だが、精神を病んでしまったため大学を退職して長いこと無職。今は高齢の両親と共にかなりの田舎にひっそりと暮らしている。しかし田舎になるとここまでの超高学歴が逆にネックになりほとんど働ける場所がなくなってしまったという。

 実に幅広い話題を持っている人だったから、やり取りをしていてとてもエキサイティングだった。しかしここまでのハイスペックを活かせないという現状がただもう勿体無い。

発達障害の人は元々が精神的に脆弱なことが多い。普通の人が耐えられることに耐える力がない。この人の場合も、どこかで精神的なダメージが蓄積して、ある日もうそれに耐えられなくなったのかな、そんなことを思った。

 

 

まだ私が中学生くらいの時だったと思う。だから30年近く前の話だけれど。

母親が、近所の人の親戚の人の話というのを話してきた。

なんでもその親戚の兄ちゃんは、京大を出て某大手の車メーカーに就職したのだが、どうにも仕事ができず、いつの間にか会社の食堂で食器洗いをさせられているんだという。ところがその兄ちゃんは食器洗いが大変気に入ったとかで、嬉々として毎日食器を洗っているんだそうだ。

「京大卒の人が!皿洗い!」と母は驚いていたけれど、後から考えるとこの人は発達障害か何かだったのかなと思う。

当時はまだ景気のいい時代で、京大卒だと就職は引く手数多だっただろうし、仮に仕事がはちゃめちゃでもなにがしか場所を見つけて社に置いておくこともできたのかもしれないが、今の時代だとまず社に残れるかどうかも怪しい。

そもそも発達障害という言葉すらなかった時代だ。だが、稀にこういう話はちらほら聞いた。すごい高学歴のはずなのにどこか変なのよ〜、みたいなヤツである。

この親戚のお兄ちゃんは今どうしているだろうか。引きこもりになっていないと良いのだが。

 

 

成人の発達障害者が仕事を探すのはものすごく大変だ。

とある女性が障害者枠で仕事を探していたが、ことごとく断られていた。

ミスが多いとか、求められるだけのスピードで動くことができないとか、言われた指示を正確に理解できないとか、まぁそんな理由である。

障害の特性によっては、かなりのサポートが必要になる場合がある。

私はこれについていつも思うのだが、そこまでして働けないといけないものなのだろうか。障害をもつ人のために別の人がほぼ一日中つきっきりになってサポートをしなければ仕事として成り立たなかったり、そのサポートに回った人が今度は自分の仕事をこなすために長時間残業をしたりとか、そんなにまで現場に負担をかけてまで働かねばならないのだろうか、とどうしても思ってしまうことがある。

だが、発達障害の人の多くは障害年金はもらえないし、申請も却下されることが多い。

 

私自身も障害を持っているが、他人の言っていることが正確に理解できないし、処理スピードが遅すぎて何を言っているのかがさっぱり聞き取れないこともよくある。

動作性IQが極めて低いから動作が常にモタモタしているし、作業に人の何倍もの時間がかかってしまう。スピードと正確さを求められる仕事はとてもこなせない。

だが、生きていくためには働かねばならないし、そうでないと犯罪を犯すか餓死するかしか道がなくなってしまう。

 

その発達障害の女性は、「どうして国は日本人じゃなくて外国人労働者を優遇するんだ」と怒っていたが、障害のある中年女性よりも、若く体力のある健康な外国人男性の方が職種によっては必要とされるだろう。それはもう仕方ないことだと思う。

だが彼女の気持ちもわかる。障害によって仕事をことごとく断られ続けたら、これはかなり精神的にダメージになるだろうなと思う。 

 

少し前にあったこのニュース

www3.nhk.or.jp

 そりゃ確かに56歳は死ぬには早すぎるかもしれないが、じゃあ今から未経験の仕事を始めようとなった時に、どれだけの企業が56歳を雇ってくれるか?というと正直いうとかなり厳しい。数百社受けて受かるかどうかというところだろう。56歳の職歴なしの人を雇うインセンティブが企業側にないのではないか。

 このニュースについたブコメにこの人はもしかしたら発達障害だったのではないか?というコメントがついていて、もしかしたらそうだったのかもしれないなぁと思ったりしたが、当人が亡くなってしまった以上、どこにもそれを確かめるすべはない。

 

News Up 56歳 ひきこもり衰弱死 | NHKニュース

もしかしてこの人は(未診断の)発達障害持ちだったかも、という想像をしてしまう。だとすると社会生活がキツイ場合はあるだろう/ 父親も「息子に死んで欲しくは無かったが、生きていて良いとも言えなかった」のか

2019/08/08 17:34

b.hatena.ne.jp

私がふと思ったのは、以前、オランダで17才の少女がPTSDに耐えかねて安楽死を申請したものの、それは却下されたが、この人と同じく食べるものを全て拒み衰弱死したという話があって。伸一さんが全ての援助の申し出を断ったのに対し、オランダの少女は苦痛を緩和する治療を医師に受けながら少しずつ衰弱していって亡くなった。

亡くなった伸一さんには強い信念があって、人に迷惑をかけないという強い意思でもって援助を全て拒否していたのだろうけれど、私からすれば、オランダの少女の死とどちらが人道的か?と言われればやはりオランダの少女の亡くなり方の方がはるかに人道的なのではないかと思ってしまう。

 

日本はバッシングの国だと思う。理想形にそぐわない姿をしていれば何をしていても叩かれる。

この56歳の伸一さんだって、生活保護を受給して生きていれば「アイツは生活保護のくせに…」というのが必ずどこかから出てくるのである。そういったものを抱えながら生きていくのがしんどい人もいる。図太く生きられる人ばかりではない。

そういう人から亡くなっていく。

これからはニュースにすらならなくなっていく。それが今の日本だと思う。

記事にもあるが、「「助けて欲しい」という声を上げることは、死ぬことよりも難しい」のである。

私や夫も、おそらく誰にも助けは求めないつもりである。なぜかというと、助けを求めたところで、助けられる余裕のある人がほとんどいない。迷惑をかけたくないその一心である。

 

 

 

おわり