けっこう毛だらけ猫愛だらけ

いつもニャーニャー鳴いています。

雑文

年末なので今年を振り返ってみると、なんだかもう病気のオンパレードの年であった。

4月に下血して大腸内視鏡検査を受けたり(幸いにして結果はシロだった)、

7月の末からは喘息を発症したのだが、病院へ何度も行っているのに原因がわからずただ苦しみつづけてげっそりと痩せ、8月中いっぱいを寝込み続けてしまい、自分は何していたのだろうかと記憶もほとんどない。8月の終わり頃にやっと近所のスーパーへ出かけたのだが、あまりにもげっそりとやせこけた姿を心配した近所のおばさんから「死ぬんじゃないか」と心配されわざわざ電話をもらったりした。

10月くらいにはまたひどい鬱が再燃したり原因不明の熱が頻発して、苦しむために私は生かされているのかなと思い、これ以上苦しむのなら…と自殺をあらためて考えたりした。今は小康状態をたもっているが、一年を振り返ってみるとまぁ病気がすごいという感じの年だった。

 

 

 ところで先日あった新幹線殺傷事件や事務次官の息子殺害事件などで、年末になってあらためて発達障害が若干クローズアップされた。

headlines.yahoo.co.jp

双方ともに言えるのは、殺した人も殺された人もまぁ相当しんどかったんだろうなということである。意味のない話であるが、この人たちが発達障害で生まれていなければ、おそらく事件は起きていないであろう。

文春が載せた父親のインタビュー、ここで、「発達障害者の親」にもすこし注目が行った。非常に変わった親だと思う。この父親に発達障害の特性があるかどうかは私は医師ではないので何も言う事はできないが、皆が想像する父親像みたいなものからかけ離れた人であることは間違いない。息子を「彼」と呼び、ここまで他人事のようなことを言える『生物学的父親』に衝撃を受けた人も多かった。

 

 

ところで、私は、「発達障害者の親」について考えることがある。

というのは、発達障害者の親というのは少々変わった人が散見されるからである。

大まかに分けて、

 ・子供が発達障害であることに動揺し、絶対に障害を認めない親

 ・変な方向に振り切れている親

 ・うちの子は障害があるのだから特別扱いしろ親

    ・適切な療育に奔走する親

 ・まったく無関心で放置の親

 

 何が原因なのかわからないが若干クレイジーなところに行ってしまう親も少なくない。

私は、発達障害である息子のことを「この子はエジソンになる天才だから!」と公言している母親を知っているが、発達障害=天才児とは限らないわけで、ここに認知の歪みがあることは明らかである。(※この息子はギフテッド2Eではない)

「うちの子は発達障害だから天才なのよ」と主張する母親と、

発達障害児=天才ではない。げんに私は天才ではないではないか」と主張する私はまっこうから意見が対立する。お互いに主張が真逆だから仲良くなりようもない。

(個人的には子供を天才だからと持ち上げて現実を見ない方がよほど害悪だと思うし、発達障害者の自殺や精神病リスクが健常者よりはるかに高いことはしっかり把握すべきであろう)

 

 大人の発達障害の当事者には子供を持たない人もちらほらいるのだが、発達障害の子供を持った親御さんが猛抗議している場面を見た事がある。発達障害である自分の子供の存在を否定されているように感じるのだろうか。はたまた子供を護りたいという気持ちが大きくなりすぎたのか。大人の当事者の人が子供をもたないのは、子供を持てるだけの経済的基盤がないことが大きな理由だったりするのだが、「おまえらは差別主義者だ」と言うのである。この親御さんの中では、当事者が子供を持たないことが、発達障害児への差別だというのである。

 

うちの子は特別」「うちの子は天才」という親からすれば、私のような主張をしている人間は憎悪の対象である。私は成人した発達障害だが、天才でも特別でもない。社会適応ができない身で、「うちの子にはこうなってほしくない」という現実が実在して目の前にいるわけだから、そりゃ嫌な気持ちにもなる。

 発達障害の子を持つ親御さんの中には、「発達障害があったけど大成功し、すごい活躍をしました!」というサクセスストーリーを好む人も多くいる。そのような人からすれば、「発達障害で人生めちゃくちゃになりましたので安楽死を望んでいます」という私のような人物は気持ち悪くて仕方がないだろう。「あなたの自己責任でしょ」という感覚になるのも無理はない。

 

 「うちの子は特別」系の親御さんは、何がどうしてそうなってしまったのだろうか?いまいち、ここが私にはわからない。子供が発達障害でなくても同じようにそう思っていたのだろうか。それとも発達障害児を育てる強いストレスでどこかがおかしくなってしまったのだろうか。この「うちの子は天才」系の親と上手に付き合うのは難しい。なぜなら認知のズレがあるからだ。

 発達障害児の中には、ギフテッド型の天才性を持つ児童もいる。だが、その天才性を保持したままで成人し、かつ社会成功をおさめるかどうかはまた話が別である。

私の兄は幼児期にIQが160超えの天才児であったのだが、10代で統合失調症を発症してもう30年である。アスペルガー統合失調症の遺伝子的親和性を考えると、天才型の発達障害児で生まれても、いかにして発症をきたさないかが大きなキーとなってくる。 

 だが、このタイプの親御さんからすればそんな話なぞ聞きたいとは思っていない。うちの子は天才だからまわりからちやほやされて当然で、将来は大きな成功をおさめるんだから、あなたのような馬鹿な当事者とは違うのよ、と本気で思ってたりするのである。

落伍者である当事者の話に耳をふさぎたくなるのは、まぁそうだよなーと私も思うので、このタイプの親御さんとはなるべく距離を置こうと思っている。

極端な例をあげてしまったが、このようなちょっと変わった親というのは記憶に残りやすいので、発達障害児の親御さんが皆、変わった人というわけではないのだが、少々変わった人がいるというのを述べておきたい。

 

 

おわり