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いつもニャーニャー鳴いています。

自分のコメントについて解説

最近あまりブログを書いていなかったんですけど、ちょっと言及が来たので、軽くブログを書いてみたいと思います。

 

まずは、オリンピックの開会式に関連して元ラーメンズ小林賢太郎氏が、過去にホロコーストをネタにしたということが問題になって辞退して、それについてユダヤ人の人が書いたコラムが出てきました。

unseenjapan.com

私がこの記事について書いたコメントがこちら。

ユダヤ人から見た小林賢太郎氏のホロコーストコント(JPN Editon) - Unseen Japan

ユダヤ人男性と付き合った事があるんだけど、古紙回収車を “外国人排斥を呼びかける車” だと思って本気で怯えて顔を覆って逃げようとまでしたんだよね。ユダヤの民の巨大なトラウマを目の当たりにした感じだった

2021/07/27 09:17

b.hatena.ne.jp

すると、これについて言及がきました。

昔ユダヤ人男性と付き合った事があるんだけど、古紙回収車を “外国人排斥を呼びかける車” だと思って本気で怯えて顔を覆って逃げようとまでしたんだよね。ユダヤの民の巨大なトラウマを目の当たりにした感じだった - nenesan0102 のブックマーク / はてなブックマーク

なんで間違えるのかよくわからない。。。

2021/07/27 12:35

b.hatena.ne.jp

今回のこのブログでは、このユダヤ人の彼氏が取った行動について、解説していきたいと思います。「わからない」と書いたコメントのリンクを貼ってしまっているので、晒してるみたいに感じられたら申し訳ないです。

 

 まず理由としては、この彼氏が「当時日本語がまったくわからなかった」というのが大きな理由として挙げられるんですが、それでも、日本人が言葉のわからない国に行って、何かを大きな音でスピーカーで流しながらゆっくりこちらに走ってくるトラックを見ても、別にそのトラックに対して恐怖心を持たないと思うんですよ。「あ〜、店か何かの宣伝だろうなー」とか、ほとんどの人はそう思うんじゃないかなと思うんですね。

 

 関西に住んでいると、「〽︎かーんさ〜いこし!」とスピーカーでフシをつけながらおっさんが運転するトラックが回ってきて、後ろの荷台に大量の段ボールが積み込んであるというのはおなじみの光景なわけですが、見慣れない人はそれが何かがわかりません。

私の後ろを歩いていた彼が「あの車はなんだ、どうして大きな音で何かを訴えているんだ?」「あれは外国人排斥を呼びかけているんじゃないのか」「僕はあのトラックに乗せられて連れていかれるんじゃないのか?」とパニックになりながら言うので、わたしはそこで彼に何が起きたかを衝撃を持って受け止め、「違う、違う、あれは家に余っている古い紙を回収するための車で、それを呼びかけているだけ」「ほら、道に外国人歩いてるでしょ!見て、ほら!」「とにかく大丈夫だから怖がらないで!」と、必死で拙い英語で話しかけて、怯えた彼の背中を必死でさすってなんとか励ましてました。彼のカッと見開かれた怯えた目は今でも覚えています。

 

 この彼氏は国籍自体はアメリカです。当時彼は25歳でしたからホロコーストそのものは見ていない。けれど、ユダヤ人というのは、祖先にどこかしらでホロコーストの犠牲になったり、何らかの形で迫害を受けた人がいる。何しろユダヤ民族をこの世から一掃しようとしたくらいの超大量虐殺なので、例えば「おじいちゃんの叔父さんが収容所で亡くなった」とか、そんな感じで何かしら薄く繋がりがある人が犠牲になっていたりします。「死んではいないけれど迫害を受けた」という人だとものすごい数にのぼると思います。

これがもし、日本人が「日本人だから」というだけの理由で、ある日突然に拘束されて全ての財産を奪われて収容所に連れて行かれて、強制的に丸刈りにされて、人としての尊厳を奪われて、強制労働や人体実験に使われて、最後はガス室で殺されて、同胞の死体の処理を自分たちで行って…、という歴史を持っていたならば、日本人もまた、言葉のわからないトラックに対して強い恐怖心を持つようになっていたんじゃないでしょうか。

日本人は戦争などで多くの死者を出していますが、「日本人であることを理由に数百万人におよぶ人々が命を狙われて組織的に殺された」というのは流石に経験していないですし、「民族としてひどい迫害を受けた」というのも、日本本土においてはないでしょう。

(注:アメリカには日系人強制収容所がありますが、日系移民の人々は大虐殺はされていません)

exploratory.io

 ところでこの彼氏と出会った頃、最初はこの人がユダヤ系だというのは全くわからなかったです。クリスマスに対してすごく嫌悪感を持っていたり、「クリスマスは自分たちには何も関係ない」というような発言をしていたところから尋ねてみたら自分はユダヤ系だというのをぽつぽつと自分で話すようになりました。そして、そのことが嫌ではないか?というのも聞かれたりしました。

こちらはそもそもユダヤ人と親しくなったこともなかったし、周囲にユダヤ人がいないもんですから、特になんの思いもなかったです。

この彼氏は、もしかしたらこの人がそうなだけかもしれないんですが、クリスマスを祝ったりはしないが、カモフラージュのために知人たちに小さなプレゼントを用意してそれを渡していると言っていました。え、アメリカでもそうなんだ、とちょっと驚きました。

アメリカの総人口は大体3億2000万人ほどですが、そのうちユダヤ系は520万人。パーセンテージにすると1.6パーセントほどしかいません。私は本当にたまたま偶然にユダヤ人に出会ってしまったという感じでした。

 私はもう一人、ユダヤ系の人を知っていてたまに遊ぶ友人だったのですが、この人は意外なことにドイツ育ちでした。一度「あなたはユダヤ系で、元々は東欧の人で、でもドイツ育ちだけど、怖いとか抵抗感とかはなかったん?」と聞いたことがあるんですね。すると、

「移住を決めたのは自分ではなくて親だし。東欧であんま良い仕事なかったし。でもやっぱお母さんはドイツ語できなかったしドイツ人と話そうともしなかった」

というようなことを言われて、とにかくその話題に触れてくれるなという感じで話を切り上げられてしまったことがあります。

 

私自身はユダヤ人ではないし、ユダヤのコミュニティにいたわけでもありませんし、ユダヤ人の知人が何十人とかいるわけではないです。しかも、この話も、私がたまたまユダヤ系の彼氏と付き合ったから目の当たりにしただけで、この人と付き合ってなければ、ユダヤ人というのははるか遠い存在だったろうなと思います。とはいえ、N=1みたいなものだし、ユダヤ人にも色々な人がいるので、あくまでも個人的な一例と思っていただければと思います。

 

さらに言うと、ユダヤ人は民族として長年にわたり迫害を受けてきたという歴史があります。これをひっくるめて「ポグロム」と呼ぶ。

ja.wikipedia.org

 

 (以下、ちょっとネタバレあります)

 先日、ついに『進撃の巨人』を読み終わって、しばらくカタルシスというか、感慨に浸ったりしたんですけど、第二部で描かれるエルディア人強制収容地区というのが、ユダヤ強制収容所をモチーフにしていることは明らかなんだけれど、もうそこはさすが諫山先生で本当に描き方がうまい!作中でも、異端者であるエルディア人に対する差別の数々が描かれていて、うわぁ…と心をえぐられる気持ちになります。

 ユダヤの人々がダビデの星のワッペンを強制的につけられたみたいに、エルディア人もまた腕章をつけさせられていて一目で出自がわかるようになっています。怖い世界だな。

 

ホロコーストの歴史はどれもすごく陰惨で恐ろしいんですけど、私が一番怖いのは「ゾンダーコマンド」です。この写真一枚でものすごい恐ろしさが伝わってくる。見るだけでゾッとする。私が感じるだけかな、べったりと黒いものが張り付いている感じがする。

www.nhk.or.jp

こうして70年とか経って、技術が進むことで分析ができたりして知られざる歴史が紐解かれて行くのはすごいことだとは思うんですが、なんかもう人間がやってきたことのえげつなさというのをちょっと感じてしまいます。

 

少し前に知人が「もし宇宙人が本当にいて、それで地球を見たらこいつらは争いばかりしてなんて下等な奴らなんだ、こういう下等生物とは関わらないのが一番だなと思ってスッと離れていきそう」ということを言っていたんですが、人間同士殺しあったり、同じ同胞同士で死体を片付けて…。「人間は生物の頂点」みたいな考え方をする宗教ってよくありますけど、殺し合いばかりしてて人間は悲しいですね。

 

 

というわけで、最後なんだかよくわからん感じになりましたが、自分のコメントの解説してみました。

 

 

おわり