けっこう毛だらけ猫愛だらけ

いつもニャーニャー鳴いています。

「逃げたあと」の事について語る

今日のブログは暗いです。よろしこ。

 

 いよいよ9月が来てしまいました。。

9月初めは中高生の自殺が頻繁に起きるという統計があるのですが、今年はもうすでに何件かの中学生の自殺が起きていて、「ああ…」と胸を絞られるような気持ちになっていたりします。

 

9月が近づくにつれて、あちこちで「逃げたっていいんだよ」という記事が新聞に出たり、ネット記事に出たりして、いじめからの回避を促す発言などもあるんですが。。

私自身、学校からドロップアウトした経験があるんですが、こういう「逃げてもいいんだよ」系の記事を読むと、なんとなくモヤモヤしてしまう。

いや、あんた責任取れへんやんと思ってしまう。

 

 私は中学生のとき、兄の病気がどんどん酷くなって、家で吠えたり暴れたりしてたんですね。狭い町なのでそれが学校で噂になってしまった。

噂の出所が自分の家だとバレるのが恐ろしくて学校へ行けなくなりました。

学校ではちょこっといじめられてもいたんですが、暴れた兄が暴力をふるってくる事のほうが自分にとってものすごい負担が大きかった。

中学2年生の夏休みが明けたころ、こうして学校という空間からドロップアウトしました。

 

だけど、その後がものすごく大変やったんですよね。。

 

高校受験のためには内申がいるんですが、学校へ行ってないのでもう全然内申点がない。

じゃあ私立高校かとなるんですが、さりとて私立高校に行くお金は家にはなく…。

通信制の高校か公立の定時制の高校にしか行けなくなります。

 私の時代はまだ全日制の高校がメインで、オルタナティブなタイプの高校は逆にものすごく倍率が高かったです。

 

中学生のその時は、もう精神面でめちゃくちゃ追いつめられているから、判断力が低下して、長期的な視野をもって自分の進路を決定するというのが全然できない。

明日死のうかなと思っている人に10年後のことが考えられないのと同じ。

 

 

結局、私は高校へ進学しないというかなり珍しい道を選んだのですが、これが後でものすごく困難な人生へ、自分自身を追いやることになりました。

 

 私の世代はばっちり就職氷河期で、能力がある人でも正規の職に就けなかった話がゴロゴロある時代なのですが、そんな中で学校をドロップアウトした経歴の大検組だったりすると、当然ですがものすごい不利。

引きこもっていた時期があるので年齢も行っているので当然ですが決まりません。

当たり前の話ですが、会社はできるだけ何も瑕疵のない人が欲しいのです。

 

 とにかく自殺を食い止めるということを目標にするならば、「逃げていいんだよ」という情報をアピールするのは大事なことかもしれませんが、逃げた先に何があるのかというと、逃げた代償はその子自身が背負わなければいけないという残酷な現実であります…。

ここが非常に悩ましい。。

 

いじめに遭ったとき、さっと別の学校へ移れるだけの環境や経済的な余裕があれば良いのですが、そこまで環境が整っている人は逆に少ないでしょう。

個人的にはもっと学校という空間が流動性の高いものになれば良いのにと思うんですが、現実はなかなかそうはいかない。

 

中学卒業が近づいたある日、突如、私をいじめていた人たちが集団で家に来ました。

そして彼女たちは「謝りたい」と言ってきた。

たぶん罪悪感を消したかったんでしょう。

でも私のほうとしては、「は?なんで?」と思ったし「謝りに来られても…」という感じでした。

でも、その後にじわじわと「謝りに来てスッキリしようとしやがったなこいつら…」という憎悪が沸いてきてしばらく心の中が荒れた。。 

 

 

 昨日くらいですが、ホッテントリにこんな話が入っていて。。

www.buzzfeed.com

 

これ、すごい!と思いました。すごい!親御さんが素晴らしい!

この親御さんがすごいのは、きちんと彼女のことを理解して行動した点にあると思います。

端的に言ってこの親御さんはすごい。

この発想はなかなかできないと思います。

 

まず大事なのが、いじめがあったことをきちんと受け止めていること

 

いじめが起こったさいに

「勘違いじゃないの?」

「いじめてるヤツをやり返せ」

「いじめられてる?情けない」

「おまえが悪いんだろう」

なんて事を言う親がよく居ますが、これは最低。

こういう反応をされると子供は親への信頼感を失い、自分を信用してもらえなかったという絶望感が植え付けられて、追いつめられていきますから絶対やっちゃいかんと思う。

 

余談ですが、私は小学校のときの教師によく難癖をつけられて殴られたりビンタをされたりしてましたが、それを親に訴えたところ「嘘をつくな」と逆に𠮟られました。これはショックでしたね。親からも嘘つき呼ばわりされてしまった。

人がもつ自己肯定感は半分くらいは親によって作られるそうなのですが、私の自己肯定感は本当に低いです…。

結局、私は自分がいじめられていることは親に話さなかったです。

 

 

さらにこの少女の親御さんがすごいのは、別の世界への架け橋を見つけてきたこと。

これもすごい。

そこらへんの小学生と、生物学者とでは持ってる価値観が全然違いますからね。

プロフェッショナルと接して、この子が得るものはとてつもなく大きいと思います。

モデルロールになりうる先駆者との出会いが、この子の人生を大きく肯定する力になる。

親がこういう別の世界への扉を開けてくれたのはこの子の勇気になると思います。

 

北米の本屋へ行くと「いかにして自己肯定感を高めるか」というような本がものすごくたくさんあるそうなんですが、この親御さんがこういう行動を取れたのは、そういった知識の蓄積があったのかなぁと思ったりしました。

 

 大人になって思うのですが、子供というのはやはり中学卒業くらいまで無力な存在だと思います。だから親がサポートをしっかりとしてやらないといけない。

 

親だって人間だし、未熟な面を持っているので「どうしてうちの子はバカなんだろう…◯◯さんちの子は出来がいいのに」なんてことを、本心では思ったりしてると思うんですが。。

だけど小学生や中学生でいじめに遭っている子はもう疲弊して考える力がありませんから、そこは親がしっかり考えてほしいと思う。

 

前にも書きましたが、いじめから逃げたとしても、逃げた代償はその子自身が背負わなければいけないので、そこをいかにして不利な面を埋めて行くかというのを親はかわりに考えてやる必要があると思います。

 

 いやーここまで書いてきて、すごい人生って大変やなと思いましたね。。

小中学生がいじめによって命を失うことは本当に悲しいことですが、そこからサバイブしても、その後の人生も本当にうまく渡らないとまた別の場面で命を落としかねない…。とくに昨今のこの社会はすごく厳しくなっていますから…。

 

とにかく世の中の親御さんたちには、子供の自己肯定感をうまく育てるように接してあげてほしいです。

 

 

 

おわり