けっこう毛だらけ猫愛だらけ

いつもニャーニャー鳴いています。

地域猫とご老人の孤独問題について考える(その1)

つい最近の記事でこんなものがあった。

b.hatena.ne.jp

私はこれまで5年以上にわたって地域猫活動に関わってきたので、この事例ってアヒルを猫に置き換えたら日本のあちこちで起きている問題だなと思ったりした。

 

日本では私がしばらくブログを書かないうちに、安倍元総理が山上容疑者による凶弾に倒れたり…と思ったら、自民党統一教会との歴史的とも言える強固な癒着が次々と明るみに出てきたりして、なんだかすごい状況だ。

今日書くブログは、今の世間の状況とはだいぶズレがあるかもしれないが、一連の出来事について記録しておきたいのでブログを書く。

 

このブログではあまり取り上げていないと思うが、実は1年ほど前から、公園でひどい嫌がらせが続いていた。

↑このポスターは、行政側が作成したもので、役所の連絡先が入っている。地域猫への餌やりの方法などを説明したものである。

ポスターへの斬り付けだけでなく、冬場に猫ハウスの中に水を入れられる、猫ハウスを刃物で斬りつけられる、スプレーを大量に撒かれる、マジックで落書きされる等の嫌がらせがあった。

犯行は全て平日の午前中〜午後4時くらいの間に行われていて、私たちボランティアはあれこれ犯人を推察したりもした。「監視カメラを仕掛けて、犯行の記録を撮れば警察に突き出せるんじゃないか」とも言われたが、逮捕されたところでさほどダメージのない人物がやってそうだったし、復讐が向かうのは猫になってしまう。

公園を、刃物を持った人物がウロウロしているのも不気味だったが、公園の管理者はあくまでも行政なので、私たちは公園利用者でしかなく、警察への告発というのができない。

そうなると猫たちの安全を確保するためには、屋内に保護するのが一番良いことになる。それが根本的な解決になるからだ。公園の猫たちもどんどん高齢になってきて、目に見えて体が衰えてきていた。高齢になると貰い手が見つかりにくくなるし、病気の猫になるとなおさらだ。チャンスはもうあとわずかしかない。

5月のGWの頃である。ちょうど変態おっさんが公園に現れていた頃、公園では猫の捕獲作戦が始まっていた。

長年猫のボランティア活動を続けてきたBさんご夫妻に公園まで来てもらい、公園の猫を捕獲して一時預かりボランティアさんに引き渡すというスケジュールが組まれていた。(この一時預かりさんを探すまでに半年もかかった)

Bさんは、何か思うところがあったのだろう。50代女性ボランティアさんのAさんに何度も何度も確認をとっていた。Aさんは「もちろんです!捕獲に協力します!」とやる気満々だった、この時までは。

私は変態おっさんと遭遇するのがどうにも嫌だったので、申し訳ないと思いつつ猫たちの捕獲をAさんBさんご夫妻に一任することにした。

ドキドキしながら家で待機していると、Bさんからのメールが入った。

ダメでした突如Aさんが反対し始めて、説得してもどうしても無理でした…

 

え?何が起きたのだろう?と一瞬訳が分からなかった。

しばらく経つと、色々な背景が見えてきた。

Aさんは親身になって世話をしてきた猫たちと離れられなかったのである。

私自身も、いざ公園で何年も見て来た猫たちがいなくなってしまうことをリアルに考えたら、胸に突き刺すような寂静感が襲ってきたことがあった。

しかし、それ以上に私が恐れたのは、ある日いきなり猫たちが惨殺されているとか傷付けられているとかである。もしそうなってしまったら、私は一生「なぜあの時保護に踏み切れなかったのか」と悔やみ続けてしまうだろう。

だがAさんの主張は「虐待は起きないかもしれない」というもので、いや、流石にナイフであれだけ色々切り裂かれててそりゃ危機感薄すぎるやろ…という感じだったが、もうこうなるとどうしようもない。GWでの保護作戦というのは一旦中止になった。

 

私はBさんご夫妻へひたすら謝った。預かる予定のボランティアさんはケージなどを用意して待っていてくれてるわけで、その人もかなりお怒りとのことだった(そりゃそうだ)。

Bさんご夫妻は活動歴がすごく長いので、実に色々な人たちを見てきていた。惨殺された猫の遺体を見てもなお、自分が寂しいから猫を保護しないでくれ、この子だけが生き甲斐なのと頼む餌やりボランティアさんのお話をしてくれた。Aさんもまさに同類だった。それでBさんご夫妻は説得を諦めて帰っていった。生き甲斐とまで言うのであれば自分ちで飼えば良いのにと思うが、現実的には飼うことができないのだろう。

 

私もAさんの説得を試みたが頑として聞かない。それどころか自分のシンパを増やしていって「〇〇さんも△△さんも、やっぱり猫が公園にいた方がいいって言ってます!」と言う始末。そりゃ猫が公園にいて、自分が行きたい時に餌やりだけチョッとするのが楽しいし圧倒的に楽に決まってるじゃないか。

私だって猟奇的な嫌がらせがなければ保護せずにずっと地域のアイドルとして猫たちを見守ろうって思ってたよ…

てか、Aさんがいつの間にかそんな厄介な餌やりババアになっていたなんて、、

Bさんご夫妻は「もう呆れました」と言ってきたが、私は呆れるというよりは、Aさんが本音を言わずに保護に賛成してきたことに違和感が拭えなかった。

 

 

長いので後半に続く。

 

地域猫活動の難しさについては、別エントリもあります。

nenesan0102.hatenablog.com