けっこう毛だらけ猫愛だらけ

いつもニャーニャー鳴いています。

最近の記事について雑感

前回、A子との関わりのブログを書いた。意外と反響があって、へえーとなっていた。

nenesan0102.hatenablog.com

 

私とA子との付き合いはゆるーく、つかず離れずでネット上のみだったが、数年におよぶものだったから、いろいろな話をした。

その中に、「かつての日本にも私たちと同じような“穀潰し”はいたと思うんだけれど、そういう人たちは一体どうしていたんだろう?」という話題が出たことがあった。

 

ここでいう「かつて」とは、明治とか大正以前である。

この頃の日本は、国民のほとんどが農民だったわけだが、そういう中で体が弱く生まれついた女性や子どもが産めないとはっきりした女性は、一体どこでどのように暮らしていたのだろう。

もちろん男性でも虚弱に生まれついて、農作業に耐えられない肉体の人は一定数確実にいたと思われるが、彼らは一体どうしていたのだろうか。

「おじろく、おばさ」というとんでもない風土慣習のある地域があるが、これだって体の病弱な個体は務まるものではない。

たまたま裕福な家に産まれた女性は「尼になる」という手があるが、尼に出家するにはかなりまとまったお金が必要になるので、これもかなりの財産持ちの家でないと現実的には無理だろう。(しかも実際は尼をするにはかなり体が強くないと暮らしに耐えられない…)

 

今のように社会福祉制度の整わない時代である。

穀潰しを生かせる余裕がある家ばかりではない。

おそらくだが病気になったのをこれ幸いと、まともな看病もせずに見殺しにされていた例がほとんどだと思う。

宮本常一の『日本残酷物語』には、困窮ゆえに家族を殺める話がぼろぼろと出てくる。家族の手による殺人はかつての貧しい日本では起こりうる出来事だったのだ。

 

私とA子は、やはり今の時代に産まれてよかったなと、やはり昔の時代は厳しいなと、そんな結論に達してしまった。

 

 

こんな記事があった。

gendai.ismedia.jp

 

私はたまたま理解ある夫に出会い、結婚することができたが、いつこの立場になってもおかしくないと思っている。

さらに言うと夫に養われて生きているため、なんらかの形で夫が亡くなった場合、私には自力で生きて行くすべがない。

以前も書いたが、私は資格を持っているし実務経験もあるのだが、体が弱すぎてほとんど働くことができない。A子もそうで、看護師資格があるが体が弱ってしまって働くことができない。こういう個体は、庇護するものがなくなったら、最終的には生活保護を頼るほかなくなってしまうだろう。

 

ときおり、街で女性ホームレスを見かけることがあるが、親が亡くなってしまったのち、どうしようもなくなって家を失いホームレスになってしまったのだと思う。このような人もこれからはどんどん増えていくだろう。

 

また、私自身もそうだったが、この世代はまだ発達障害の診断基準が確立していないため、発達障害をかかえているのにそれが見落とされてそのまま大人になった人が少なくない。

以前、引きこもりの調査をしてみたら非常に発達障害の割合が高かったというデータがあるが、この層にも発達障害が原因となった例が何割かは含まれているのではないかと推測する。

 

 

中高年が厳しい状況に置かれているのは男性も変わらない。

こんな記事もあった。

business.nikkeibp.co.jp

 この記事にコメントをつけたら、トップになってしまった。

白書もスルー? 40、50代男性の自殺率の高さ:日経ビジネスオンライン

年齢差別のひどい国で非正規雇用と貧困が拡大したら、仕事に就きづらい中高年が困窮して自殺するのは当たり前の話じゃないの…中高年になれば気力も体力も衰えるし内臓や関節も弱って病気にもなるし。

2017/06/06 09:50

b.hatena.ne.jp

 

しかしこの記事にはいまいちよくわからない部分がある。

自殺しているのは「お父さん」なのか、それとも孤独な「キモくて金のないおっさん」なのか。

お父さんの奥さんは「高いランチ」を食べる金銭的余裕がある。それはお父さんにはお金があるということを示している。

いや、違うんじゃないのか。お金がない人が困窮して自殺するのではないか。

もう少し掘り下げたデータを知る必要がある。

 

社会保障を必要とする弱者男性について、私は書いておきたいことがある。

 

私にとっては「キモくてお金のないおっさん」といえば西成だ。

 

私は、西成のことをよく知るまで、一体なぜあの地域だけがそんなに生活保護の人が多いのかと不思議に思っていた。大阪の人は怠惰なのか?

違った。

事実はまったく違ったのだ。

 

西成のすぐ隣に大正区という街がある。ここも大阪の下町で大変ディープな街なのだが、ここに住む人が教えてくれたことがある。

西成は生活保護が非常に通りやすい地域なので、全国各地から西成を目指して片道だけの交通費を持たされた老人がやってくるのだそうだ。

そして西成の近くで迷う。

知人は何度も道を聞かれたそうだ。

西成の区役所はどちらですかと。

鳥取や、中には北海道からだという人もいたそうだ。

 

「あそこは完全に姥捨て山だと思います」と知人は言った。

 

何らかの形で家族が養うことができなくなってしまったが、自分の住んでいる地域では生活保護が通らない。身内が生活保護なのも外聞が悪い。だけど生きていてほしい。

そうだ、西成へ行こう。

こうして西成に弱者が集まるようになってしまった。

ちなみに生活保護の全国平均は288人に1人だそうだが、西成のとある地域では2人に1人、4人に1人が生活保護という地域があるそうだ。

(これはこの知人が西成で行われた貧困の研究者の人の生活保護に関する調査を聞きに行ってその資料を見せてもらったもので、いわば又聞きなのだが、かなり衝撃的なデータであった)

 

この記事のブコメに「女はいいよな」というコメントがついていて、確かにそうだなぁと思わざるをえなかった。

この背景には、女性が悩みを共有する傾向があるのに対し、男性は1人で抱えてある日突然死を選んでしまうという傾向が強いという背景が大きくあると思う。

 

適当に書いてしまったので、あとで消すかもしれないが

 

おわり