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生きるのに向かない人(雑文)

新幹線殺傷事件のニュースがふたたび出ていた。

headlines.yahoo.co.jp

この事件に関しては以前、ブログ記事を書いた。

nenesan0102.hatenablog.com

 

  新幹線殺傷事件の小島被告には発達障害があることがわかっている。母親がそのように証言している。仕事や人間関係がうまくいかず、事件前はホームレス状態だった。

刑務所に入りたいと願うほどその生活が地獄だったのか、それとも彼の認知が歪んでいて、刑務所に謎なあこがれをいだいていたのかははっきりしないが、ともかく小島被告は刑務所で生活することを望んでいた。だから他人を殺した。なんの関係もない人々が犠牲となった。

 

 新幹線事件とは大きな関連はないのだが、このようなニュースがあった。

www.bengo4.com

  とあるデータでは、ひきこもりの約3割には発達障害があるのではないかと言われていて、下記のような記事もあった。

diamond.jp

 ひきこもりの問題にしろ、発達障害者が起こす凶悪事件にしろ、じゃあどうすればいいの?となると著名な有識者でも何の答えも出せていないのが現状だと思う。皆困っているが、処方箋がほとんどない。

ひきこもり支援をうたった業者に頼んで無理矢理入院させたり家から放りだしたりしても、それが長期的な意味での解決になるとは言いがたい。根本的な原因は、当事者たちに社会で生き抜けるだけの能力がないことだからである。

 

 新幹線殺傷事件の小島被告は、もともと強い自殺願望を持っていた。その時点で彼が自殺に成功していれば、他者を無駄にあやめることはなかったのだと思う。どの時点で、自殺願望が他殺願望へと変化していったのかはちょっとわからない。

 

私は時折思うのだが、この社会が一定の形を取っていればその形に合わないという人が必ず出てきてしまう。

たとえば、発達障害は遺伝子のほんのわずかなバグでしかない。当事者の人で「私は発達障害に産まれたかった」という人はまずいない。できればもっと、より良い状態でこの世に生を受けたかったという人がほとんどだと思う。

 昨今、「生きづらい」という声をあちこちで聞くが、その一方で軽々と物事をこなし、人生をエンジョイしている人々もたくさんいる。

 

 

 私は新幹線殺傷事件に関しては、どちらかというと被害者よりは小島被告の方にシンパシーを覚えてしまう方だ。同じ障害を持っているからかもしれない。

小島被告が強い自殺願望を持っていたことは、同じく社会適応できなかった者の一人としてすごくよくわかる。

私自身は積極的安楽死を望む立場であるが、発達障害を持った人、治らない障害や身体障害を持った人にも、安楽死を望む人がいると思う。

だが、一方で、「社会に適応する能力はないが、さりとて死にたくはない」という人も必ずいるわけで(むしろ多い)、じゃあこの人たちをどのように社会で受け入れて行くかというのはすごく難しい問題だろう。福祉には限界があるからだ。

 

 現在、発達障害の人に対しては就労支援が行われたりしていて、行政側もものすごく力を入れていることがよくわかるが、実際には安定して働ける人というのはそれなりに体力があったり、二次障害がなかったり、二次障害があっても安定した人で、障害者雇用といえども無理な人は無理というのが現状である。

私のような、精神も肉体もきわめて脆弱な個体だと障害者雇用ですら働けないというのが現実であって、そのような人はどこにも行き場所がない。

私はひきこもりのうち、かなりの割合が、心身ともに脆弱な個体なのではないかと推測している。当たり前の話だが、心身がともに弱い個体だと生きるのに向いていない。

この人たちの行き着く先はたいてい自殺である。

もちろん世の中はこのように脆弱な個体ばかりではないから、なんとか無理してでも社会適応してやっていっている人がほとんどなのであるが。

 

 

  時々、自分の発達障害特性が治るのであれば1千万くらい出してもいいかなと思うときがある。そのくらい発達障害特性で働けないことでの社会的ハンデキャップは大きいからだ。そもそも生涯賃金がまるで違う。だが、発達障害が治ったところで、どうして自分ばかり高額の医療費を払い続けねばならないのだと感じてしまうだろうなと思うので、考えるだけ不毛である。

発達障害だから皆が皆同じなわけではなく、たまたま私が社会にそぐわない特性を持って産まれてきてしまったことが原因である。発達障害に産まれても、生きるのに有利な特性をもっていたり運に恵まれたりした人はいるので、その落差は大きい。

いま、私の知人友人には子供が発達障害で産まれてしまったという人が複数いるが、このお母さんたちの抱えている不安や恐怖感はどれほどかと心が痛む。 

 むかし、「発達障害が治ります」と言われて本当に脳の手術を受けさせてしまった親の話を聞いた事があるが(本当か噓かはしらない)その気持ちは非常によくわかる。

 

 

 

ただのぼやきなので、おわり