けっこう毛だらけ猫愛だらけ

いつもニャーニャー鳴いています。

決戦は金曜日

なんと驚いたことに私がTNRというのを決行することになってしまった。

TNRというのは、 Trap(捕獲)、 Neuter(不妊手術)、Return( 元の場所に戻す)のことで、地域猫活動の本丸みたいな活動のことである。

もともと環境省が推進している取り組みで、野良猫の不妊手術を徹底することで、飼い主のいない猫の総数を徐々に減らしていこうという取り組みである。

www.doubutukikin.or.jp

 

今回のターゲット『コヤツ

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便宜上、『コヤツ』と呼んでいるのだが、このクリーム色の大きな雄猫を捕獲して去勢手術をして、さらに元いた場所に戻すという結構な大仕事が降ってきてしまったのである。

コヤツにもプライバシーがあるのでちょっと目の所にモザイクをかけておこう。

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 私が世話をしている地域猫のいる公園にこのコヤツが現れるようになったのが去年くらいなのだが、何しろ去勢していない大型の雄猫なので気性が荒々しく乱暴、元からいた猫たちを襲う襲う。公園の環境が良いので、できれば縄張りを奪いたいコヤツ。

私が世話している地域猫たちはすでに8年ほど前に去勢不妊手術をしているので性格が穏やかなのだが、コヤツは気性がもうとことん荒くて、まさにドラ猫といった感じである。

かつては雄の黒猫が頻繁にコヤツに応戦していたのだが、去年の夏、コヤツに歩けなくなるほどの大怪我を負わされた。この時は私が動物病院へ連れて行ったのだが、獣医さんにも「この子全身傷だらけだよ」とびっくりされる始末。黒猫には腰から足にかけて20センチ近くある引っかき傷などがあって指で辿るとゴツゴツとした傷跡が触れた。人間で例えるなら腰から足首まで一直線にざっくりと皮膚が切れている感じだから、これがいかに大傷だったかと言うのがわかっていただけるだろう。

先週はコヤツに夫が指を引っ掻かれて流血。すぐに洗うもしばらく腫れて大変だった。コヤツはすこぶる凶暴な猫なのである。

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(夫が載せて欲しいと言うので流血写真を載せます)

 

雄猫は去勢をするとだいぶ気性が落ち着くという。ぷりぷりとしたコヤツの立派なキンタマを見るたびに「ぐぬぬ…」という気持ちがどうにも拭えない。なんとかしてコヤツを去勢手術に持っていかねば今後も色々とまずいだろうと判断、ついにコヤツのTNRを決意した。

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 コヤツを動物病院に連れて行くにあたり、私は周囲の聞き込みを開始。よそのお家の飼い猫だと困るからだ。するとあっさりと近所に住む大地主のCさんが「ベージュ色の猫ですか?うちの裏でよく寝てますよ」。

この時点で、オイオイそれなら不妊手術させんかーい!って感じなのだが、Cさん、ご高齢のためなのかはたまた面倒臭いのか、不妊手術をするという発想が全くない

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 さて、捕獲には捕獲器が必要なため、私は近所に住むDさんという、TNRのベテランの方にその方の所有している捕獲器を借りに行くことにした。その時に教えてもらったのだが、Dさん曰く、「Cさんのところはもともと外飼いの猫が何匹もいてね。それを数年前に私たちで一斉に手術したの。あんなに大きなお屋敷に住んでるくらいなんだからいくらか払ってもらえばよかったわよ(笑)」という。

 

 

その後、またCさんとやりとりしてみてびっくり。Cさんは家の猫たちを手術してくれたDさんのことを完全に忘れていた。Cさんにとっては「なんだか知らないけど猫に餌をやっていたら知らないおばちゃんがやって来て猫を不妊手術させてまた持って帰ってきた」くらいの感覚だったのである。

家で定期的にえさをやって寝床までこしらてやっているが、Cさん一家には誰一人、「うちの猫だ」という意識がない。だから不妊手術をするつもりも全くないのである。

 

全国には、Dさんのような身銭を切って動く猫好きなおばちゃんがいて、Cさんのような人はその労力にフリーライドしているようなものなのだが、Cさんのような人々の意識を変えるというのはまず無理だろう。私も、Cさんの意識を変えるのは無理だろうと思っているので諦めている。

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今回は捕獲器をCさん宅のコヤツの寝床近くに設置させてもらうことになったのだが、Cさんが、「あの…早めに捕獲器に入っちゃうと夜、寒くないでしょうか」などと言ってくる。あのですね、それならCさんが自分で病院に連れて行きなさいよと言いたくなるのをこらえて丁寧にお返事しておいた。

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猫の不妊手術で難しいのは、コヤツが捕獲器に入る保証はどこにもないことである。だから金曜日に設置してもし失敗したら、日を空けて改めてまた別の日に設置せねばならない。あまりにも捕獲器の設置回数が多くなると今度は危険なものだというのをコヤツも学習してしまうので、なるべく速やかにことを済ませねばならない。

動物病院の方もいつも手術がOKな訳ではないから、予約を複数回に渡って入れておいて、捕獲できなければそこでキャンセルである。コヤツはまだワクチンを打っていないので動物病院に入院させることができないから、手術日以前には捕まえることができない。

自分のスケジュール、Cさんとのスケジュール調整、動物病院のスケジュールが全て合致しないと、そもそも捕獲器を設置することができないのである。

 

正直、こんなにきついとは思わなかった!!

 

でも、言い出しっぺは私自身なのでなんとかやらなければならない。

いやはやこんなに大変なものだとは思いもよらなかった。コヤツの入った捕獲器も重そうだなぁ。ハァ〜、今から気が重い。

 

 

コヤツのTNR作戦については、またブログを書くつもりです。

 

さくら猫活動については賛否両論あるのですが、あと数十年ほど経てばもう野良猫という存在そのものが消えるとも言われています。それは少し寂しいなとは思いつつも、糞尿被害などを起こさないためには、飼い主のいない猫は出来るだけ減った方が良いでしょう。

では、金曜日、がんばります。

 

 

 

おわり