こんなブログがあった。読んでみた。
この人はすごく苦しんでいる。その思いをブログでぶちまけている。
たくさんのコメントがついている。
若いときに、私も似たような思いで苦しんでいた。
私の兄はかなり重度の発達障害かつ統合失調症なのだけれど、長いあいだ、その存在がとても苦しかった。
兄と心中しようと本気で考えていたときもある。
id:kyodaishindeさんがいま、恐れているようなことは、私の身に現実としておこったことである。
30歳くらいの時だったのだけれど、当時付き合っていた彼氏とのあいだに結婚話が出て、相手のご両親にご挨拶に行くという段階になって突如、面会拒否をされた。
それは私の兄が精神障害者だからという理由だった。
相手のご両親が言うには、そのような兄がいる人は、将来的に介護の可能性が高くなるので、とにかくお金が必要だ。だから医師免許を持った人物が良い、もしくは東大か京大卒でないと認めないとのことだった。
私の妹は京大卒だ。やけくそになって「じゃ妹ならいいのか」と聞けば妹なら条件に合うから良いと言うではないか。なんだそれは、と思った。このあたりから彼氏のご両親に対して、その人間性に対して疑問を抱くようになっていった。
よくよく聞けば、嫁が京大卒や東大卒がいいというのも、たんなるご近所や親類への見栄らしい。呆れてしまった。申し訳ないけどご両親に対してかるく軽蔑してしまった。
そうこうするうちに彼氏自身もおよび腰になってきた。
彼氏の言い分はこうだった。
「今はまだ社会がなんとかなりたっているから、お兄さんのような人も社会福祉の恩恵で生きていけるかもしれない。だけど僕らが年寄りになったとき、財源はどうなる?そうなったら僕らがお兄さんの面倒を見なあかんやんか」
私は、彼氏に対してこう答えるしかなかった
「そのときはあなたに迷惑をかけないために離婚する」
「いや、僕は離婚したいわけじゃないねん、お兄さんをどうするかって話やねん」
まだ結婚もしていないのに、私たちはいつ離婚するかという話し合いをしてしまっていた。当然ながらこんな調子ではうまくいくわけがない。
しばらくして別れを切り出された。
いい加減に疲れていたので、すんなりと別れを承諾した。というかこのご両親とやっていけると思えなかった。だから別れを切り出されたときは当然の流れだと思った。
彼氏を私の両親に会わせたとき、私の父がものすごく喜んでいたので、そればかりが頭に浮かんだ。破談になったことを自分の両親に伝えると、「ああ…やっぱり」という感じの反応が返ってきた。このときの両親の落胆ぶりはすごかった。自分が別れたことよりも、両親が傷ついたことに傷ついてしまった。
これらは私がいま結婚しているから書けることで、当時は非常にきつかった。
当時、私は病気にもなって京大病院で手術をしたばかりで、なんでこう、しんどいことばかりが身に降り掛かるのかと思っていたものである。
メンタルもすごく病んで、何度かリストカットをした。
私を救ってくれたのは仕事だった。
たまたまだけれど、こんな記事も見つけた。
我が家も、兄を家で面倒見ていたから、兄が近所の人とトラブルを起こしたりするたびに孤立していったと思う。
兄は強い被害妄想で、近所の人が自分を殺しに来ると計画していると本気で信じていた。壁から大きな声で殺害計画が聞こえてきて、それがすごく具体的なのだと言う。ご飯にはすべて毒が入っているし、×日に殺される。その前にヤルと言って、包丁を持ち出して近所の人を待ち伏せした。当然ながら警察騒ぎになった。
私の母も兄に痛めつけられたうちの一人だ。
いつだったか記憶がさだかではないが、母が、「お兄ちゃんの飲んでる薬はすごく強いから、腎臓がやられて長生きはできないって聞いた、正直ホッとした」と言っていたことがある。
そのくらい、母にとって兄の存在はしんどいものになってしまっていた。
兄も好きで発達障害に生まれたわけではないし、好きで統合失調症になったわけでもないのに、なんの因果か。
id:kyodaishindeさんに、私がひとつ言えることがあるとするならば、結婚はもう「ご縁」だということでしょうか。うまく行くときはうまく行くし、努力しても駄目な時は駄目です。気にしないご家族も実際にいます。
なによりも悪いことは、「きっと駄目に違いない」とみずからが身を引いてしまうことだと思います。
近くにいるなら、直接お会いして話を聞いてあげたいと思うくらいです。
私はおばちゃんだから、自分自身が人生をこれからどうこうすることはもうほとんどできないし、生きて行く力もあまりありません。
だからこの先、兄と一緒に自殺するとかいうことも可能性としてはあるわけです。しかし、それもまた縁なのだなぁと個人的には思っています。
私は仏教思想が強い人間だからそう思うのかもしれませんが。
別に障害者でなくても、生きることが下手な人や、クズと呼ばれるような人はいます。後天的に障害を負う人もいます。そういった人物が身内にいるかどうかは、もうすべて縁でしかないのだと思っています。
以前書いた、兄についてのブログ
おわり