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生きづらさについて考えてみた(後編)

発達障害の生きづらさについて考えてみるエントリ、後編。

 

前編はこちら

nenesan0102.hatenablog.com

 

 前編でかるく私の発達障害のことを書いたが、「処理能力が極端に低い」というのをパソコンにたとえると、いつまでも情報を読み込まず、動き(処理)が極度に遅い、性能の低い、古いパソコンに近い。

多くの人が読み込みの遅いパソコンにイライラした経験があると思う。私も同じだった。

性能が低いので人の話を聞いてもさっぱり飲み込めず、ときにぽかんとしてフリーズ、おまけに言葉を聞き間違える。これは自分でも不思議に思うのだが、日本語ネイティヴのはずなのに、何度聞き返しても相手の言葉(単語)がうまく聞き取れない。理解できないのだ。

 

こんな調子だから、対応する人はイライラさせられる事になる。

結果として、私は大人をイライラさせてしまい、幼い頃から事あるごとに殴られたり蹴られたりしてきた。

 私の両親はそろってエリートで、自分たちと同じように自分の子どもも抜きん出た賢い子どもであると思っていた。ところがこんなポンコツが生まれてしまった。ポンコツだった私は、いつも殴られたり蹴られたりしていた。(意外と知られていないが、エリートもけっこうDVはする)

 

 

ここ数日で現れた増田に対して「それは職場が合わないだけ」というエントリがあった。ここにも一応貼っておきたいと思う。

anond.hatelabo.jp

 

私のようなガチポンコツの無能人間からすると、この人はすごいな、優秀なんだなという感じしかない。

私のような人間はガチ無能なので、職場で定められた日数を出社することができない。体がもたないからだ。アホみたいな話だが、体がもたなくて働けない人は実際にいる。能力以前の問題で、体そのものがもたないのだ。

体力を能力とするならば、能力がまったくない。

 

多くの場合、そこには神経系統が大きく関わっている。

そこで今回のブログでは、発達障害と神経系統について書いてきたいと思う。

 

 ■

 

先に述べておくが、私は一応、医療系の国家資格を持っていて、コメディカル(医療周辺職)として5年ほど現場で、非正規ではあるが働いていた。だからごく普通の人よりは医学的な知識はあるが、それもあくまでも基礎医学の範囲を出ないレベルで、私自身は神経生理学の研究者ではない。

 

そして、研究者の世界でもさまざまな説があり、医学系の論説はとくに短いスパンでひっくりかえることもあり、定説はあるものの、それがすべて解明されているとは言いがたい世界である。

このブログでは私の体験にもとづいた内容を書いている。なので、あくまでも主観にもとづいた主張だというのを先にお断りしておきたい。

 

 

以前、「外国人の性活動のあまりのすごさに圧倒された話」というエントリを書いたことがある。

nenesan0102.hatenablog.com

 性的な活動というのは文化や宗教に左右される側面があるので、ただ単純に人種の差を比較することはできない。そして、研究の世界では人種間の差異の研究というのは差別や優生思想につながりかねないので、タブーにされている部分がある。

だが、性活動においてはあきらかに人種間に大きな差があるというのはわかっていただけると思う。つまり、性活動に関係する性ホルモン分泌には人種間の違いがあるということである。

 

知人に神経生理学者がいるのだが、この人が以前、「アジア人より、白人や黒人のほうが自律神経系が強い」と話していたことがある。これが彼が個人的に持った感想だとしても、私もこれに全面的に同意する。白人や黒人は神経のタフな個体が多い。

 

自律神経系というのは、体のさまざまな機構をつかさどっているから、このシステムが崩れると体調がガタガタになる。

とくに女性の場合、ホルモンバランスの調節は自律神経によってコントロールされているから、自律神経系がやられるとたいていホルモンバランスが崩れ生理などにも影響が出る。突然心臓がバクバクするパニック症候群や、心臓の拍動の乱れなども自律神経系と関係している。およそ関係ない臓器はないというくらい、自律神経は体のすべてと関係している。

 

私が知って衝撃的だったのは、発達障害の人の中に自律神経系の未発達な個体がいるということである。 

 

どのような個体に生まれるかは人生を大きく左右するが、一口に発達障害といっても、自律神経系が発達した個体か、未熟な個体になるかどうかで大きく人生が変わってしまうのだ。

 

発達障害に関する法律が整備され、少しずつ発達障害の人が障害者枠で就労できるようになってきたが、これもあくまでも「体調が一定している」という大前提がある。

自律神経系が未発達で体調を崩してしまいやすい人には、やはり働ける場がないのが実情である。

 

 

私は医療系学生のとき、いまいち自律神経と体との関係性がわからずにいた。

具体的に、自律神経が弱るとなぜ体調がグズグズになるのかがはっきりわからなかったのだ。

だが、あるとき何かの医学書で、自律神経というのが全身の血管に、それこそものすごく微細な毛細血管にまでコイルのようにびっしりと巻き付いているものなのだというのを知って、一気に謎がとけた。

 

強いショックを受けた人が急に脳貧血を起こして倒れる、というような描写も、あれは自律神経の働きで、ショックを受けた瞬間に脳への血管を自律神経が絞りあげて血流を一気に閉ざしているから、脳貧血が起きる。

 

血管は全身に分布しているから、自律神経系の緊張によって内臓血流が低下すると、腎臓や腸の働きが低下する。肝臓の働きも低下するので、本来ならば肝臓や腎臓で行っているはずの解毒代謝も低下していく。小腸の機能も低下するので、うまく栄養吸収が行われず、きちんと食べているはずなのにどうにもゲッソリして力が出ないということになる。これが続くと、当然ながらどんどん体が弱っていく。

自律神経を病んだ人が、おしなべて顔色が悪く、貧血で体がフラフラして寝たきりになったりしているのはこういうわけである。

 

悩ましいのは、自律神経系を発達させる手段があまりないことだ。

とくに発達障害のような、生まれついての発達不全だと、どれほど頑張って鍛えてもやはりもともとから発達した人よりも弱い。

 

体調が安定している発達障害者の人は、自律神経系が発達した個体だ。

このような人は障害者枠で働くこともできるし、さらに体がタフであれば、合う仕事を見つければ充分に社会でやっていくことができる。

 

前編でもとりあげたが、私は、黒柳徹子を日本でもっとも成功した発達障害者のうちのひとりだと思っている。黒柳徹子はとても強靭な肉体を持っている。だからあのように活躍ができる。これが自律神経系が脆弱な個体だとおそらく芸能人をやっていくことはできない。強靭な肉体は宝物のようなものだ。

 

自律神経系の脆弱さは、けして生まれつきだけのものではない。

交通事故による後遺症や脳腫瘍などで自律神経が狂ってしまうこともある。

だから、自律神経系の大切さを知っておくことはとても重要なのだが、神経は目に見えるものではないから、そこに意識が行くことはほとんどないのは残念なことだ。

 

 発達障害者は神経系統の発達が異常になることがある。聴覚過敏といって普通の人の何倍もの大きさに騒音が聴こえる。これは聴覚神経の異常である。一方で自律神経は未発達なのだ。このような神経系のちぐはぐさに苦しむ発達障害者は多い。

 

以前もちらっと触れたが、女性の発達障害者はコミュニケーションよりも体調に難が出ることが多い。

susumu-akashi.com

 

もともとの処理能力が低いことでストレスを内側に抱え込みやすく、さらにストレスが神経系へ影響をあたえて、スパイラルにどんどん私の体調はおかしくなっていった。

 

私はいまカウンセリングへ通っているが、そのカウンセラーさんからも「本当にアスペルガー?本当に?」と何度も疑われた。体に出てしまうタイプの人だと傍目にわからない。

 

発達障害、とくにアスペルガーはかなり男女比があって、一説には8:1という説もあるが、女性のアスペルガーはもう少し多いのではないかというのが私の考えである。

社会性が発達しているが、体がおかしくなってどうにも働けないとか、自律神経系が不調でどうにも苦しいが、まったく改善しないというような人のうち何割かは発達障害が隠れているのではないかと思っている。

 

 

 

おわり