年末に知人が私に助けを求めてきました。こんなこともあるのだと少し驚いたので、こちらでブログにすることにします。けっこう重い記述があるので嫌な人はリターンしてください。
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12月29日のことでした。ふと携帯を見るとメールが入っていて、知人のAさんからの「助けてください」という悲痛なメッセージでした。
このAさんは夏くらいまでは普通に働いていたのですが、いよいよ精神状態が悪くなり、12月30日には精神病院に入院することが決定していた状態でした。
「もう数日何も食べていない、そして精神病院まで行く交通費がない」
まぁようするに「金くれ」というのがAさんの希望でありました。
Aさんは生活保護を申請しているのですが、支給の日が来るまでに手持ちの現金が底をついてしまったのです。
私はAさんとは薄いながらも既知の仲で色々と知っているのですが、Aさんは発達障害を持っていて、発達障害の二次障害からギャンブル依存症になり、さらにはギャンブルするために知人からお金を借りまくってそれを踏み倒したりしたために警察沙汰となり、何度かの逮捕歴と、あと長期間ではないのですが刑務所に服役していたという過去があります。
発達障害の人はなんらかの依存症におちいってしまう人が少なくなく、これは生来の脳の脆弱性からくるものです。Aさんの場合も鬱があまりにもひどく、迫り来る希死念慮を紛らわせるためにギャンブルにのめりこんでいってしまい、気づいたらギャンブル依存症になっていたわけなのですが、人からお金を借りてまでギャンブルをする、返せないのに借りようとする、それを踏み倒すというのはちょっと尋常ではありません。
しかも刑務所に服役までしていたくらいなのに、それでもまだAさんはわき上がる希死念慮と、それに伴う強いギャンブル欲と闘っている状態でした。
ギャンブル依存症の難しさはこのTwitterがホッテントリに入っていたので、興味がある方はお読みください。(読んで楽しいものでもないが)
仕事中に友達が1人減りました。
— かーび♏️ (@Ka_Be_ast) 2020年12月20日
とても悲しいことです。
こんな妄言を本気で言っている人がいることがなによりも悲しい。 pic.twitter.com/VYKJTHxsZE
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さて、このようなヘルプがAさんからきて、これはどうしたものかと思ったのですが、私がお金を貸すというのはどう考えても悪手で。貸すのはかなりヤバイ!というのを本能的に感じるわけです。
まずは空腹をどうにかせねばと考えましたが、Aさんはもう明日に入院、こちらから食料を送るという手法は即効性がなく使えません。しかもAさんは入院するということで携帯をすでに解約してしまっており、自分自身ではどこにも電話がかけられない状態。私にはパソコンからメールを送ってきていました。
行政の窓口は年末年始でほぼすべてが閉まっていて、私はあちこちの行政の窓口に電話してみましたがまずつながらない。厚労省に緊急支援の問い合わせなどもするもこれも自治体の福祉事務所が窓口になっているためアウト。かなりあちこちに電話をかけまくりましたが、とにかく年末というのが大きなネックで、行政機関はすべてアウトでした。
最後に私がコンタクトを取ったのが民間の支援団体でした。その団体の緊急窓口のような電話に電話が繋がり、状況を説明するとすぐさま動いてくれて2時後くらいにはもうすぐに食べられる食料をAさんの自宅まで届けてくれたのです。
それどころか支援団体のほうでAさんに2千円の交通費まで貸し出してくれました。
良かった良かった!一件落着〜、とホッと胸をなでおろしていたら、夜になってAさんから「すみません、交通費が足りません」という連絡が。
詳しく聞けば、Aさんが入院する予定の精神病院は(精神病院はたいていそうなんですが)、陸の孤島のような場所にあり、ふもとの最寄り駅から病院までの送迎バスが出ているのだがそのバスが朝7時と13時にしかなく、自分が指定された時間に病院に着くには朝7時のバスに乗らなくてはいけないのだが、始発の電車で出発してもこの7時の送迎バスには間に合わない。
夜になってこれが発覚し、Aさんの要請で私からふたたび支援団体に緊急連絡。
すると支援団体の方で雪の中出せる車を持つ人を探してくださり、Aさんを最初から病院まで送迎してくれることに!(車だとおそらく1時間半くらいかかる距離なのですが、現金を貸すよりもそっちのほうが良いと判断したのだろうと思われます)
そして次の日、Aさんが無事に入院できたと支援団体からの連絡が入り、ああよかったと再び胸をなでおろしていたところ、支援団体の方からのメールがこれ
いや、もう本当に弱者支援というのは骨が折れるというか、相手だって人間ですしね。みんなが善良なわけもなく。
私自身はほとんど何も動いていない状況なのですが、最後の最後でもう「うわー、Aさん!」となったと言いましょうか…。ここでドーッと疲れたというか。
継続して支援をされている方のメンタルの強さにただもう尊敬…。
私はAさんの件でこの支援団体にお世話になったので、Aさんには直接お金は貸していないのですが、支援団体の方に寄付をしてきました。総合するとAさんに直接お金貸すよりも費用がかかってしまったんですけど、Aさんに自分がお金を貸すというのは絶対に駄目だと感じていたので、これでよかったんじゃないかと思っています。
Aさんのような人は世の中にはけっこうな数いるし支援団体さんが活動を続けて行けることが大事ですしね。
皆様、よいお年をお迎えください。
おわり