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発達障害の特性の難しさを考える

匿名ダイアリーでこんな記事があった。

anond.hatelabo.jp

 ちょっと素朴に思ったんですけど、今の時点で発達障害を看板にしてオンラインサロンで成功するのって吉濱ツトムさんくらいでは…。吉濱ツトムさんはアスペルガーの当事者の方ですが著作がめちゃくちゃ多いので、あのくらい説得力があると人が集まりそう。もうすでにあるかも?

私の知人でも、「発達障害の子どもを育ててきたからその経験を生かしたい」とかでお母さんたちの不安に応えられるようなサロンをやりたがっている人がいるんですが、発達障害のお子さんを持つお母さん向けのサロンはありかもしれません。お母さんたちの不安ってすごいのよね。

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先日書いたエントリでもあったんですけど、この手の話っていつもパラドックスを含むところがあって。この増田は比較的軽度の、そこまで発達障害の特性が重度ではない人々を集めてそこからお金を徴収しようと思っているようなんだけど、月に980円をコンスタントに払えるような層だと障害が軽度でそれなりに社会適応できていたりするんだけど、そうでない重度の人は仕事もすぐに首になったりしてまずオンラインサロンに払うお金がない。でも社会的な理解を広げなければいけないのはむしろ重度の方であって、重度の人の大変さというのはかなりとんでもないレベルだったりする。

「社会を変える」というのがなぜ難しいか。それを今から書いて行きたいと思う(炎上覚悟)

nenesan0102.hatenablog.com

 このエントリは、年末に私の知人であるAさんをめぐりゴタゴタがあった話である。このAさんは発達障害の程度はかなりの軽度である。コミュニケーションもふつうにとれるし、直前まで普通枠で正社員だったりしたので、深く関わらない人はAさんの障害に気づかないくらいのレベルである。軽度でもこんなに大変だったりするわけである。

いつだったか、どこかのコメントで、発達障害の人々のことを「ナイーブで面倒くさい人々」と表現している人がいた。これは非常に良く当てはまっていると思った。

発達障害は概念がすごく広いのでそれだけ個人差もすごく大きい。発達障害者の人生を端的に言うと、「特性」「IQ」「周囲の環境」の組み合わせによって人生の方向性が決まり、そこに「運」のフレーバーがかかっているという感じである。

難しいのは、理解されづらい特性を持っている場合である。

私自身も発達障害者であるが、これは…となるような特性の人々が実際に存在する。

例をあげると、 

 ・とにかくキレやすい(易怒性)

 ・ひどい暴言を吐く

 ・すべてを他人のせいにする

 ・暴力を振るう(他害行動)

 ・完全に認知がズレている

 ・重度のコミュニケーション障害

 ・ひどい被害者意識

 ・ひどい社会性の欠如

 ・強い自己尊大感(自分以外の人を見下す)

 ・二次障害で人格障害を発症している

 ・反社会性を持っている

 ・ストレスで錯乱してモノを破壊する

 ・すぐにばれるような噓をつく

 このへんの特性を複数かかえてしまうと、もはや「ナイーブで面倒くさい」を通り越して「厄介な人」という感じになっていく。

 特性の個々の詳細説明は控えるが、このような特性を持つ人物は周囲の理解を得るのはすごく難しいのはわかっていただけると思う。このタイプの発達障害の人とうまく付き合うのにはものすごいコミュニケーションスキルがいる。2年ほど前、官僚だった父親に殺されてしまった気の毒な人がいたけれど、Twitterなどを読むとこのタイプの特性を複数抱えていたようで、なんとも心が痛む。

 私自身も当事者であるのに、正直なところこのようなタイプの発達障害人とどのように付き合って行くのが良いのだろうかと首をひねるばかりである。キレられたり暴言を吐かれたり殴られたりすることに理解をしろと言われても容易にそれを受け入れられる人はあまりいない。暴言をはかれる方だって人の心を持っているからだ。

私自身は当事者の一人でしかないので、このタイプとは無理に付き合わなくてすむのだが、医療者や支援者などで必ず関わらなくてはならない人の大変さはかなりすごいのではないかと思う。オンラインサロンをやりたい増田が「軽度の人のみ」を対象としたいのは無理もないことで、キレやすく反社会性を持つ人々が何十人と集まるとなると、本当に大変なんじゃないのだろうか。

 

ちなみに私自身の発達障害の特性というと、

 ・同時並行作業ができない

 ・体調をすぐに崩す

 ・人の話を聞いて即座に理解できない

 ・とにかく心身が脆弱

 ・強い身体感覚過敏

 ・ストレスに弱い

 ・動作性IQが低いので作業がノロイ

 ・作業をすればかならずミスをする

 ・同じ失敗を繰り返す

 私には幸いなことに「キレやすい」とかの特性はないのだが、それでもほとんど社会適応ができなくて周囲に迷惑をかけまくってしまって安楽死を望むくらいなのだから、周囲と軋轢を産むような特性のある人物が社会的に理解を得ようとするというのは本当に難しいだろう。

 アスペルガーの特性というのは、何がどうしてこの特性になるのか。「キレやすい」とか「衝動性」は前頭前野に関係があると言われているが、それ以外の特性についてはどこが原因で何が起きてなぜこうなるのかというのはまだ未知だったりする。

発達障害も、個々の特性も自分が選択したものではないから本当にここが悩ましい。私はたまたま、「キレやすい」とか「暴言をはく」とかの特性は持っていなかったので、人間関係のトラブルはそこまで多くない方なのだが、これだって自分の努力でかちえたというよりは、ただたんに特性がそうじゃなかったというガチャだっただけである。

anond.hatelabo.jp

 また似たような増田がある!てかこの話題みんな好きね〜。

でもふと思ったんですけど、発達障害の弱者男性でも、上にあげたような特性を持つ人物ってどんどん周囲に人がいなくなってしまって孤立状態になってしまうので、そういう人が自分を救ってくれる女性に出会えるかってなるとそれはそれで難しそう。出会いそのものがないもん。

 このあいだ同じく発達障害を持つ友人と話していて思ったんですが、発達障害男性の一部に「僕のお母さんになって」っていう感覚の人が確実に存在するんですよね。完全に庇護される対象になりたいという感覚。で、このような事を言い出しちゃう男性ってかなり高い確率で親から虐待されていたりするんですよね。本来ならそのトラウマから脱却すべくカウンセリングなり治療なり受けてほしいけど、どう考えたってそっちのほうがお金もかかるし時間も手間もかかるんだよね。それよりは女性に優しくしてもらったほうが楽じゃないですか。自分が背負った深い傷を埋めたいのでセックスできるママを求めてしまう、みたいな。すべてを自分のかわりにやってくれてお金も稼いできてくれて、自分は好きなことしてゴロゴロして全部甘えていたいっていうのを持ってたりするんですよ。その気持ちはわかるけどこれをやられると女性側の負担は半端なくて、「私あんたのママじゃないんだけど!」ってなってだいたい破綻しちゃう。大人としての恋愛じゃなくて、自分が一方的に甘えられる関係を望んでいるとちょっとなぁ。望むのは自由だけど女性も人間だしなぁ。

まだまだ男女間の賃金格差がある日本みたいな国で養ってくれる女性を見つける事自体が相当に困難だと思うんだけど、それを安易に求めちゃうのもまた想像力のなさなんでしょうか。

 

 

 

 

とりあえずおわり。